多汗症について
多汗症の症状・原因・セルフチェック方法・対処法・予防法を徹底解説
全身、手のひら、脇、足の裏などから多量の汗が出て悩んでいる方は、多汗症の可能性があります。
「汗くさいと思われないか心配」、「汗が多くて人と握手できない」といった悩みがある方は、セルフチェックしてみましょう。
ここでは、多汗症の症状や原因、セルフチェック方法、対策方法について詳しくご紹介します。
多汗症とは
多汗症とは、汗が過剰に分泌される病気です。
運動や暑い環境などの要因で体温が上がると、身体の熱を冷ますために汗が分泌されます。
これは温熱性発汗といって、身体の機能によって起きる現象のため、心配はありません。
また、緊張や不安を覚えたときに出る汗を精神性発汗といい、これも大量に出ていなければ問題ありません。
しかし、多汗症の方は、体温が上がったときや緊張・不安を覚えたときに大量の汗が出ます。
健康な人が少量しか汗をかかないような状態でも、多汗症の人はしたたり落ちるほどの汗をかくのです。
ただし、多汗症の重症度によって汗の量が異なります。
軽度の多汗症の場合、単なる汗っかきと思い込んでしまいがちなため注意が必要です。
このようなお悩みのあなたにおすすめ
- 汗が気になって人と握手ができない
- 紙を濡らしてしまう
- 緊張すると大量に汗をかく
- 汗のコンプレックスが原因で気分が落ち込みがち
多汗症の種類
多汗症には、全身性多汗症と局所性多汗症があります。
それぞれの特徴をご説明いたします。
全身性多汗症
全身性多汗症は、全身から汗が過剰に出る病気です。
背中や腕、お腹、太ももなど、あらゆる部位から汗が過剰に分泌されます。
局所性多汗症
局所性多汗症は、手のひら、脇、足の裏など局所的に汗が過剰に分泌される病気です。
手汗がひどい場合は握手ができなくなったり、プリント用紙などを濡らしてしまったりします。
また、足の裏の汗がひどいと、靴の中が蒸れてかゆくなる場合があります。
脇の汗がひどい場合は、汗で服が透けてしまうこともあるでしょう。
多汗症の原因
多汗症の原因や症状が現れるきっかけは、全身性多汗症と局所性多汗症で異なります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
全身性多汗症の原因
全身性多汗症には、運動や高温の環境、発熱などによる「温熱性発汗」、更年期障害や糖尿病、肥満症などによる「内分泌・代謝性発汗」、その他には「神経障害による発汗」、「薬剤の副作用による発汗」、「感染症による発汗」、「原因不明の発汗」などがあります。
局所性多汗症の原因
局所性多汗症には、緊張や不安による「精神性発汗」、辛いものを食べたときの「未覚性発汗」、胸部交感神経切除後などに起こり得る「神経障害による発汗」、皮膚疾患などが関係する「その他の発汗」があります。
多汗症のセルフチェック方法
下記の項目に当てはまる数が多いほどに多汗症の可能性が高くなります。
- したたり落ちるほどの大量の汗が頻繁に出る
- プリント用紙を持つと濡らしてしまう
- 汗じみが目立つ
- 1日に何度も着替えが必要
- 制汗剤が手放せない
- 睡眠中はあまり汗をかかない
- 原因不明の大量の発汗が6ヶ月以上続いている
多汗症の重症度の目安
多汗症の重症度は、次の4つに分類できます。
- 気づかない、生活に支障をきたさない
- 我慢できる、たまに生活に支障をきたす
- 何とか耐えられる、生活に支障をきたすことが多い
- 耐えがたい、常に生活に支障をきたしている
『3』以上の症状が現れている場合は重症だと考えられます。
多汗症の対策方法
多汗症は、交感神経が興奮しやすい、汗の分泌が増える遺伝子を持っているなど、さまざまな要因でリスクが高まります。
しかし、多汗症の根本の原因は判明していないため、明確な対策方法も確立されていません。
少しでも多汗症のリスクを抑えるために、次のような対策方法を実践しましょう。
刺激物を控える
辛いものを食べたときに大量の汗が出る場合は、刺激物を控えましょう。
刺激物は交感神経を活発にして汗の分泌を促す恐れがあります。
規則正しい生活
睡眠不足、過度な飲酒、喫煙などは、身体に大きな負担をかけます。
生活習慣と多汗症との関係は明らかにはなっていませんが、汗を分泌する機能を整えるために、規則正しい生活を意識することが大切です。
ストレスを解消する
ストレスを受けると交感神経が活発になり、汗の分泌が増える可能性があります。
できるだけストレスを受けないようにするとともに、ストレスをこまめに解消しましょう。
ストレスの解消法は、良質かつ十分な睡眠、適度な運動、趣味を楽しむなどです。