【※医師監修】アポクリン汗腺とは？役割は？除去にかかる費用

アポクリン汗腺とは？除去の方法やかかる費用

普通の人より汗の量が多い、脇から独特の嫌なニオイを感じるなどの症状がある人は、多汗症やわきがの可能性があります。
多汗症やわきがになる原因には、人間の皮膚にある2つの汗腺が大きく関わっているため、その汗腺を除去することで多汗症やわきがの症状を改善することが可能です。

今回は、そんな汗腺の役割や2つの汗腺の違い、アポクリン汗腺の除去方法など詳しくご紹介します。

アポクリン汗腺とは？

汗を分泌する汗腺には、「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類の汗腺があります。
まずは、それぞれの役割や性質について見ていきましょう。

2つの汗腺とその役割は？アポクリン汗腺とエクリン汗腺の違い

アポクリン汗腺

アポクリン汗腺は、体の中でも限られた部位にだけ存在する汗腺で、皮膚の深い所にあります。
アポクリン汗腺から分泌される汗には、タンパク質・脂質・糖質・アンモニア・鉄分などの成分が含まれており、少し濁った色で粘り気があるのが特徴です。
もともとは、異性を引き付けるフェロモンのような役割を果たしていたと言われています。
思春期に急速に発達しますが、体臭の強い人（わきが臭の強い人）は、体質的にアポクリン汗腺が大きい、他人よりアポクリン汗腺の数が多いなどの特徴があります。

エクリン汗腺

限られた場所にだけ存在するアポクリン汗腺とは違い、エクリン汗腺は全身に存在する汗腺で、皮膚の浅い所にあります。
エクリン汗腺から分泌される汗は、99％が水分で1％にだけ塩分やアンモニアなどが含まれています。
そのため、ほぼ無臭で粘り気もなくサラサラしているのが特徴です。
ただ、衣服・下着に付着して雑菌・バイ菌が繁殖すると、汗臭い臭いが発生します。
普段、運動をした時や夏の暑い時など、体温が上がった時にかく汗はエクリン汗腺から分泌される汗です。
汗を分泌することによって熱を放出し、体温の調節をする役割があります。

アポクリン汗腺の場所はどこ？ない人もいる？

アポクリン汗腺の多くは脇の下にありますが、他にも、乳輪周辺・陰部・肛門周辺・へそ周辺・耳の中などにも存在します。
アポクリン汗腺の数や大きさは人によって違いはありますが、アポクリン汗腺が全くない人はいません。

わきが・多汗症の原因となる汗腺は？

わきがと多汗症は、それぞれ原因となる汗腺が異なります。

わきがの原因となるのはアポクリン汗腺

アポクリン汗腺の汗自体には、もともと臭いはありません。

しかし、アポクリン汗腺から分泌された汗が皮脂などと混ざり合い、さらに皮膚の常在菌によって分解されることで「わきが臭」と言われる独特なニオイを発生させます。
アポクリン汗腺から分泌される汗の量が多ければ多いほど、皮膚の常在菌が活性化され強い臭いを発生させます。
遺伝、生活習慣の乱れ、性ホルモンの影響などで、アポクリン汗腺からの汗の分泌量が多くなる事により、わきがの症状が現れるのです。 先程申し上げたように、アポクリン汗腺は脇以外の部位にも存在します。
そのため、 乳輪周辺・陰部・肛門周辺・へそ周辺・耳の中にも、わきがの症状が現れる場合もあります。

多汗症の原因となるのはエクリン汗腺

エクリン汗腺から、大量に汗が分泌される症状を多汗症と言います。
エクリン汗腺は体のあらゆる場所に存在するため、脇だけでなく、手のひらや足の裏、背中、頭部などの部位にも多汗症の症状はあらわれます。
大量に汗が分泌される原因としては、食生活やホルモンバランス、精神的緊張、神経の異常や感染症など様々で、人によってその症状も異なります。

アポクリン汗腺は自分で除去出来る？減らす方法は？

わきがの原因となるアポクリン汗腺を除去すれば、症状を改善することが出来ます。
では、どのようにアポクリン汗腺を除去するのでしょうか。
自分で除去する事は出来るのか、また、どのような除去方法があるのか、ここからは、アポクリン汗腺の除去方法について詳しくご紹介します。

アポクリン汗腺を自分で除去する事は出来ない

アポクリン汗腺は皮膚の深い所に存在し、除去するためには医療機関での切開手術が必要となるため、自分で除去する事は出来ません。
わきがの症状が軽度の人の場合は、アポクリン汗腺を除去しなくても、制汗剤やデオドラント製品などを使用して、一時的に自分でわきがの予防や対策をすることは出来ます。

しかし、わきがを根本的に治療したい人は、医療機関で「アポクリン汗腺を除去する手術を受ける」または「アポクリン汗腺を破壊する施術を受ける」のいずれかを選択する必要があります。
わきがや多汗症は遺伝的要素も大きく、自然に症状が改善されることはほぼないため、わきがの症状が中度から重度である人にはしっかりとした治療がおすすめです。

アポクリン汗腺の除去方法と費用

アポクリン汗腺の除去には切開手術が必要ですが、その手術（除去方法）にもいくつかの種類があります。
ここでは、当院で採用しているアポクリン汗腺の除去手術である 、「反転剪除法」と「イナバ式皮下組織削除法」について、費用も含め詳しくご紹介します。

反転剪除法

反転剪除法（切開法）は、ワキの下を5cm程切開して皮膚を裏返し、医師が目で確認しながらアポクリン汗腺を除去します。
医師が自分の目で確認しながら行うため、確実にアポクリン腺を切除する事ができ、最も効果が高い治療法のひとつです。
施術時には笑気麻酔と局所麻酔を使用し、治療時間は約120分程度です。

イナバ式皮下組織削除法

イナバ式皮下組織削除法は、ハサミのような形をした特殊な器具を用いて、汗腺組織を除去します。
ローラーのついた側で皮膚を押し、もう一方の刃のついた側を3～4cmワキを切開した部分から内側に入れて、 皮膚を挟み込んで動かし内側の組織を削りとります。
皮膚を厚さ1mm程度まで薄く削り取り、汗腺組織や皮脂腺を取り除くことができるため、アポクリン腺の再生もほぼ起こりません。
最小限の傷跡で施術することが可能で、反転剪除法（切開法）と同様に効果が高い治療法のひとつです。
施術時には笑気麻酔と局所麻酔を使用し、治療時間は約90分程度です。

アポクリン汗腺除去にかかる費用

当院の治療料金は、それぞれ以下のようになっています。

アポクリン汗腺除去の効果や特徴、デメリットは？

わきがや多汗症の根本的な治療が可能なアポクリン汗腺除去（切開手術）ですが、治療を受けるにあたってはデメリットもあります。
アポクリン汗腺除去の効果や特徴、メリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

アポクリン汗腺除去（切開手術）の効果と特徴

アポクリン汗腺除去の効果

アポクリン汗腺除去（切開手術）は、臭いの元となる汗腺を直接取り除いていく治療法であるため、その効果は半永久的に持続します。
わきが・多汗症のさまざまな治療法の中でも、最も確実性の高い治療法で、重度のわきが症（腋臭症）の方でも十分な効果が期待できます。
ただ、一度の施術で汗腺を100％除去することはできません。
一度の施術で除去できるのは、エクリン汗腺は全体の約50％～60％、アポクリン汗腺は全体の約80％～90％です。
すべての汗腺を除去する事はできませんが、汗や臭いの原因となる汗腺の大半を除去することが可能なため、ほとんどの方は症状が大幅に改善されます。

アポクリン汗腺除去の特徴

アポクリン汗腺を除去するには、皮膚を切開する必要があるため術後に傷痕が残ります。
また、施術時間は約90分～120分と長く、術後も一定期間の固定や十分な安静期間が必要など、日常生活にも少なからず支障が出ます。
当院で行っている「反転剪除法」と「イナバ式皮下組織削除法」 の通院期間の目安、ダウンタイムやアフターケアなどの詳細は以下の通りです。

アポクリン汗腺除去のメリットとデメリット

前項の効果と特徴をご覧頂くとわかるように、アポクリン汗腺除去にはメリットとデメリットがあります。

高い効果が期待できる治療法ではありますが、治療を受ける上での負担は必ずしも軽くはないため、治療を受ける前に慎重に検討する必要があります。
アポクリン汗腺除去という治療法以外にも、わきが・多汗症を改善する治療法はあります。
納得いくまで医師としっかり話し合った上で、ご自分の症状に合った最適な治療法を選択する事が大切です。

当院おすすめはアポクリン汗腺を破壊する【ミラドライ】

当院では、わきが・多汗症でお悩みの方のために、数種類の治療方法をご用意させて頂いております。
その中でも、アポクリン汗腺除去に匹敵する効果が期待でき、尚且つデメリットの少ない治療法がミラドライです。
症状が重度の方にもおすすめの治療法【ミラドライ】について、効果や特徴、治療にかかる費用など詳しくご紹介します。

【切らない治療ミラドライ】の効果と特徴

ミラドライは、電磁波（マイクロ波）を利用して、皮膚を切らずに、アポクリン汗腺とエクリン汗腺の両方を破壊する治療方法（治療機器）です。

ミラドライの効果

ミラドライでは汗腺を除去する事は出来ませんが、 電磁波（マイクロ波）を照射する事により汗腺組織を熱破壊します。
一度破壊された汗腺は基本的に再生することはない（※成長期の方を除く）ため、アポクリン汗腺除去と同様に、治療の効果は半永久的に持続します。
またミラドライも、一度の施術で汗腺全体の約90％の汗腺を破壊することが可能で、症状が重度の方でも十分な効果が期待できます。

ミラドライの特徴

ミラドライは、皮膚を切開することなく治療を行う事が可能なため、患部に傷痕が残ることなく、ダウンタイムもほぼないのが特徴です。
またミラドライは、厚生労働省と米国のFAD（食品医薬品局）から正式に医療機器として認可を受けているため、効果と安全性に関しても実証されています。
施術時間も両ワキで約60分程度（+冷却約20分）と短く、皮膚表面を冷却しながら照射するため、熱感や痛みをほぼ感じることなく施術を受けることができます。
当院では、ミラドライⅠよりさらに最大出力が高い「ミラドライⅡ」を採用しています。 「ミラドライⅡ」 の詳細は以下の通りです。

ミラドライ治療にかかる費用

ミラドライⅡによる当院の治療料金は、以下のようになっています。

神戸三宮周辺で多汗症・ワキガ治療なら神成美容外科へ！

今回は、アポクリン汗腺について役割や除去方法など詳しくご紹介してきましたが、わきが・多汗症の治療法としておすすめなのは、最後にご紹介したミラドライによる治療です。
当院では料金は全て一律、カウンセリング無料で、お一人お一人の患者様にあった技術とサービスを提供していく事を最優先にしております。
わきがや多汗症でお悩みの方で、神戸三宮周辺で治療をお考えなら、是非一度カウンセリングにお越し下さい。